株主・投資家の皆様へ

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代表取締役社長 宮城 力

明日の「モノづくり」を支える、エンジニア集団として

まず初めに、第29期(2021年3月期)の事業の概況についてご報告をお願いします。
第29期は、新型コロナウイルスの感染拡大により、当初計画の変更を余儀なくされるなど、非常に厳しい経営環境となりました。そのような中、当社グループは、刻々と変化していく市況に対し、「モノづくり」の技術を通じて貢献していくという原点に立ち戻り、サービスの質の向上とともに、柔軟かつ的確な対応に努めました。上半期は、生産活動の停滞により、思うに任せない状況でしたが、下半期からは産業界全体が徐々に持ち直し、当社グループも回復基調となりました。
事業セグメント別にご報告いたしますと、まず、2020年12月にグループの一員に加わった株式会社パートナーが営むIT技術者派遣等を「ITサポート事業」として独立セグメントとし、これまでの主要3事業から4事業体制へと事業基盤を拡大いたしました。
主力のマニュファクチャリングサポート事業は、予定されていた生産計画の変更や海外案件などが相次いで中止になるなど、上半期は苦戦を強いられました。一方、下半期頃から、在宅ワーク等の巣ごもり需要に伴うパソコン・タブレットなどのICT機器の生産が徐々に増え始めたことで、半導体・電子部品分野が伸長しました。その結果、セグメント業績は前期と比べ減収減益となったものの、極端な落ち込みとならず、来期へつなぐことができました。
コンストラクションサポート事業は、継続的な公共投資による需要、企業における設備の老朽化対策や工場の自動化に伴う需要など、コロナ禍による影響が出にくい分野に注力したことで受注増を図ることができ、加えて、以前より取り組んできた労働時間単価の引き上げ交渉が実を結んだこともあり、セグメント業績は前期と比べ増収増益となりました。しかしながら、派遣労働時間が僅かながら減少し、また、予定していた大型商業施設でのリニューアル工事の延期等もあり、決して満足のいく結果ではなかったと考えております。
新セグメントとなりましたITサポート事業は、システムインテグレーション分野において高い技能と経験を持つエンジニアを有しており、顧客からの評価も高く、業績は順調に推移しました。
EMS事業は、電子機器の受託製造や電子部品販売が、コロナ禍による企業の設備投資の停滞や市場の低迷で、十分に業績を伸ばすことができず、減収減益を余儀なくされました。しかしながら明るい材料としては、以前から取り組んできた電子部品のユニット販売が一定の成果を上げたことです。これまではメーカーの既存商品を単品で販売する商社機能が中心でしたが、商品のユニット化による付加価値をご提案することで、競合他社との差別化が図れました。
グループ全体としては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が多大であったにも関わらず、よく踏みとどまったと評価しております。
連結業績では、M&Aによる2社(株式会社サザンプラン/株式会社パートナー)の業績への寄与と下半期からの回復基調で増収となったものの、待機人員の雇用維持にかかる費用により営業利益では減益となりましたが、雇用調整助成金の活用により経常利益では増益となりました。なお、株主様への期末配当は、業績を勘案しながらの安定配当という基本方針に基づき、1株当たり28円とさせていただきました。
今後の成長へ向けてどのような取り組みを進めておられますか。
新たな成長軌道を構築するため、第29期において、いくつかのプロジェクトをスタートさせております。その一つがM&Aプロジェクトで、第29期では2020年6月に株式会社サザンプラン、同年12月に株式会社パートナーの2社がグループ入りしました。
株式会社サザンプランは中古ビジネスホンなどのOA機器を買い取り、修理・再生して販売するというビジネスモデルで事業展開しています。当社グループにとって、同社が有する清掃・磨き・塗装といった再生技術は、保守・メンテ等の修理サービス事業における新たな強みとなります。また、専用の販売サイトを有しており、当社グループとしては新たな販売チャネルとして、既存の電子部品の販売事業でも活用できるのではと期待しております。
株式会社パートナーについては、中核のマニュファクチャリングサポート事業をはじめ、各事業の成長を促すダイナモ的な存在になるとみています。今やITはどの業種・業界においても不可欠なファクターであり、当社グループの顧客企業に対して、IT技術によるソリューションがご提供できるようになり、新たなシステム構築の受注にもつながります。また新規開拓におきましても、IT技術は大変有効な武器となり、様々な業種業態が対象になると考えております。
第30期の2021年度から新たな4ヵ年の中期経営計画をスタートさせますが、主要4事業のシナジーを伸展させるとともに、まだ進出できていない地域や業種への拡大を軸に取り組みを進めてまいります。
コロナ禍の長期化によって、国内企業の多くが生産・調達における国内回帰への動きがみられ、「モノづくり」のサポートが役割の当社グループにとっては、追い風の状況となってきました。
第30期(2022年3月期)について、どのような見通しを立てておられますか。
新年度において最も注力する取り組みは、先ほど少し触れた「国内回帰」の需要獲得です。市況の動きとしては、生産・物流効率向上のためのオートメーション化等、設備投資の増加が見込まれます。その一方で、サプライチェーンのグローバル化の歪みとして、製造現場では高度技術者や熟練作業員の不足が課題となっています。設備の高度化提案や人財育成として最新技術の教育研修を励行してきた当社グループとしては、請負・派遣の両面で、強みを発揮する絶好の機会が訪れたと言えるでしょう。加えて、企業は調達面で安定供給を担保するために複数ルートでの購買化を進めており、EMS事業における電子部品販売の拡大を図るチャンスも広がってきました。
また、コロナ禍により停滞気味であった海外事業につきましては、新たなスタートを切りたいと考えております。これまではベトナムおよびミャンマーに連結子会社を設立し、現地の国立工科系の大学とも連携しながら、日本語教育やエンジニアの育成など、人財教育に注力してきました。
第30期からは次の段階に進み、まずは育てた人財が特定技能外国人として日本国内で働ける体制を整えてまいります。第29期では、その先駆けとなるミャンマーからの受け入れを行いました。これは電気・電子情報関連産業分野では国内初となります。将来的には、海外人財が活躍する場を、他のASEAN諸国はもとより、アジア人財のニーズが高い欧米などの先進国へと広げていく計画です。
業績につきましては、第29期下半期からの経済活動の回復が第30期においても継続されることが予想され、それを裏付けるように、すでに受注の獲得も順調に進んでおります。
最後に株主様へのメッセージをお願いします。
当社グループは、経営方針として「千変万化」を掲げております。その意味するところは、変化し続ける社会環境に対して常に新しい挑戦を続けることにあります。
アフターコロナの時代では、様々な面でこれまでにないほどの大きな変化が待ち受けていると予想されています。当社グループは、他に先駆けて自らが変化していくことによって、顧客企業に対し、新技術のご提供や最適ソリューションのご提案が可能になると考えております。そして、それらを通じ、顧客企業の成長エンジンの一つとして役立っていくことを目指してまいります。
ウイルテックグループは、まだまだ発展途上の段階にありますが、株主様におかれましては、さらなるご支援とご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長
宮城 力

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